IPv6 over IPv4 トンネルの設定手順
IPv4ネットワークにより隔てられた2拠点間で、トンネリング(カプセル化)によりIPv6通信を交換するIPv6 over IPv4 トンネルの設定例です。
- IPv6 over IPv4 は、トンネルインタフェースの利用例の1つです。IPv4 over IPv6 や IPv4 over IPv4 などのトンネリングに応用することもできます(IPv4,IPv6デュアルスタックとすることもできます)。
- ここではIP-IPトンネルインタフェースによる設定例を紹介します。IP-IPトンネルインタフェースは通信内容の保護機能を持ちませんので、インターネットVPNなどに応用する場合はIPsec(トランスポートモード)との組み合わせにより暗号化することを推奨します。 あるいは、IPsecインタフェースに読み替えて設定することも可能です(別途IPsec/IKEの設定を追加する必要があります)。
ここでは、次のような構成のネットワークを前提に説明します。
項目 | 値 | 備考 |
---|---|---|
トンネル始点となるIPv4アドレス | 203.0.113.1 | WAN側のIPv4ネットワークに接続しているアドレス |
トンネルのIPv6アドレス(プレフィックス長) | 2001:DB8::1(/128) | トンネルインタフェースのアドレス |
ローカルネットワークのIPv6アドレス(プレフィックス長) | 2001:DB8:1::1(/64) | LAN側ネットワークのアドレス |
項目 | 値 | 備考 |
---|---|---|
トンネル終点となるIPv4アドレス | 203.0.113.2 | WAN側のIPv4ネットワークに接続しているアドレス |
トンネルのIPv6アドレス(プレフィックス長) | 2001:DB8::2(/128) | トンネルインタフェースのアドレス |
リモートネットワークのIPv6アドレス(プレフィックス長) | 2001:DB8:2::1(/64) | LAN側ネットワークのアドレス |
- IP-IPトンネルインタフェースを使用します。
注:
- トンネルインタフェースには、LAN側ネットワークと重複しないIPv6ネットワークのアドレスを割り当てます(トンネル接続サービスを利用する場合はISPから指定されたアドレスを使用します)。
- それぞれの拠点は固定のIPv4アドレスで疎通が取れる状態であるものとします。
- LAN側インタフェースとしてlan0を使用するものとします。
以上で設定は終了です。
ローカルネットワーク内の端末とリモートネットワーク内の端末のIPv6通信が可能となることを確認してください。
注: LAN内端末のIPv6グローバルアドレスやゲートウェイを自動設定するにはルータ広告の設定が必要です。