NATセッション数の上限と制限
NATセッションは仕様上の最大数により制限されるほか、一部利用者による占有を防ぐための制限機能があります。
NATルールとNATセッション
natコマンドで設定されたNAT/NAPTのコンフィグは、NATルールとして保持されます。このNATルールにマッチする通信が発生するとNATセッションが生成され、セッションにマッチする通信のIPアドレスやポート番号の変換が行われます。
保持できるNATセッション数には上限があり、NATルールの数(NAT設定行数)はこれに含まれません。
NATセッションの状態は"show status nat"コマンドで参照できます。
- NATセッション数の上限
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機種 上限 SEIL/B1 4096 SEIL/X1 16384 SEIL/X2 32768 SEIL/x86 Fuji 65536 SEIL BPV4 65536
- SEIL/x86 Fuji およびSEIL BPV4において、通信先のIPアドレスとポート番号の組合わせが同一のNAPTセッションは、最大数が32768となります。
NATセッション数超過時の処理
保持しているNATセッション数が最大値に達すると、新たなNATセッションは生成できません
その際、ログに"nat session is full"を記録し、当該パケットは破棄されます。
NATセッション保持数の制限
少数の端末による多数のNATセッションの占有を防ぐため、NATセッションの保持数を制限できます。
- プライベート側IPアドレスによる制限
- プライベート側IPアドレス一つあたりに許可する保持数の上限を設定できます。LAN内の特定のホストがPeer to Peerアプリケーション等により多数のホストとのセッションを維持するような場合に効果があります。
- 送信元IPアドレスによる制限
- NATセッション生成の基点となるソースIPアドレス一つあたりに許可する保持数の上限を設定できます。単一のホストが多数のホスト宛に送信を行うことによる占有に上限を設けることができます。多数のホストから単一ホストへの受信に対しては効果がありません。