SEIL/x86 FujiのKVMサポート状況

SEIL/x86 FujiをKVM上で使用する際の参考情報です。

注: この文書で記述されているKVMを含む内容は執筆時点での情報や実動作を元にしており、将来的に変更される可能性があります。

動作するKVMのバージョン

SEIL/x86 Fujiは下記の環境のKVM上で動作確認を実施しています。

  • OS: Scientific Linux 6.1
    • カーネルバージョン: 2.6.32-131.0.15.el6.x86_64
    • KVM対応ハイパーバイザ: qemu-kvm-0.14.1
  • OS: CentOS 6.3
    • カーネルバージョン: 2.6.32-279.el6.x86_64
    • KVM対応ハイパーバイザ: qemu-kvm-0.12.1.2

サポートするKVM準仮想化ドライバ

SEIL/x86 Fujiでは、以下の準仮想化ドライバをサポートしています。

  • 時刻同期デバイス(kvmclock)
  • ネットワークデバイス(Virtio network driver)
  • ディスクデバイス(Virtio block driver)
  • Virtio-SCSI ストレージ コントローラ

上記以外の準仮想化ドライバには対応していません。

KVMおよびデバイスの認識

SEIL/x86 FujiがKVM上で準仮想化ドライバで動作していると認識した場合は、起動時に以下のメッセージが表示されます。

また、ネッワークデバイスは以下のようにMACアドレスが表示されデバイス名がlanに変更されます。
virtio0 at pci0 dev 3 function 0
Qumranet Virtio Network Device (rev. 0x00)
vioif0 at virtio0: Ethernet address 00:15:5d:XX:XX:XX
rename vioif0 to lan0
時刻同期デバイスの場合は以下のようなメッセージが表示されます。
kvmclock0 at isa0 port  iomem  irq  drq
kvmclock0: KVM TimeSync driver

時刻の同期(kvmclock)

  • SEIL/x86 FujiはホストOS側の時刻が正しいことを前提にして動作します。
  • ゲストOSの時刻がホストOSよりも 1000秒以上遅れている場合に、ホストOSと時刻を同期します。
  • 定常動作中はNTPによる時刻同期を使用してください。

ネットワークアダプタ(Virtio network driver)

  • 物理インタフェースのメディアの状態は一切反映されません。
  • 常に1000baseT Full-Duplexで動作します。
  • 常に全てのユニキャスト・マルチキャストフレームを受信します。(常にプロミスキャスモード)
  • Jumbo Frame はサポートしていません。
表 1. インタフェースのカウンタの実装"show status interface lanN"
項目 説明
Ipkts 自身宛でないフレームも含む受信パケット数
Ierrs 受信エラーパケット数
Opkts 送信パケット数
Oerrs 送信エラーパケット数(負荷等による一時的な送信バッファ不足: デバイスドライバ層)
Colls カウントなし
InOctets 自身宛でないフレームも含む受信バイト数
OutOctets 送信バイト数
InDrops 受信側ドロップパケット数(負荷等による一時的な受信バッファ溢れ・メモリ不足等: デバイスドライバ層)
OutDiscards 送信側ドロップパケット数(負荷等による一時的な送信バッファ不足: ネットワークスタック層)

その他のデバイス

メモリバルーンデバイス(Virtio balloon driver)はサポートしていません。