コンフィグの扱い
SEILのコンフィグの、保存と読み込み、外部保存、及びファームウェアバージョン間または機種間における互換性について説明します。
起動時のコンフィグの読み込み
SEILは起動時にフラッシュメモリからコンフィグを読み込み、メインメモリ上に展開します。
SEILの動作中はメインメモリ上に展開されたコンフィグをもとに各機能が動作し、設定の変更もメインメモリ上のコンフィグに対して行われます。 明示的にフラッシュメモリに保存しない限り、再起動や電源断が発生すると、起動してからの変更内容はすべて破棄され、 次回起動時は最後にフラッシュメモリに保存されたコンフィグを再び読み込みます。
コンフィグファイルについて
外部保存(バックアップ)したコンフィグファイルは、プレーンテキストのファイルになります。 このコンフィグファイルはそのまま元のSEIL、あるいは、同一機種かつ同一(またはより新しい)ファームウェアの別のSEILに読み込ませることができます。
コンフィグファイルはテキストエディタで編集することも可能ですが、記述ミスのある設定行、及びその設定に依存する設定行は読み込み時にエラーとなり無視されますのでご注意ください。
"save-to remote"や"save-to storage"コマンドによりファイルとして保存したコンフィグファイルの内容は、 "show config"や"save-to stdout"コマンドで端末画面上に出力した内容と一見同様ですが、端末画面上に出力された表示内容には、 ソフトウェア側の表示上の都合により改行文字やコントロールコード、ページング機能による文字列等が挿入されることがあります。
操作端末の表示ログからコンフィグを抽出する場合は、これらの不要な文字等を完全に除去する必要があります。 また、必要な空白を削除してコマンドやパラメータを連結してしまわないようご注意ください。
「工場出荷状態」について
"factory-config"コマンドの実行やリセットスイッチにより設定内容を初期化した場合、 フラッシュメモリ上にはコンフィグが保存されていない状態になります。これを「工場出荷状態」もしくは「"factory-config"状態」と呼びます。
SEILが起動時にフラッシュメモリからコンフィグを読み込もうとしたとき、フラッシュメモリ上にコンフィグがないことがわかると、 インストールされているファームウェアにより初期コンフィグをメインメモリ上に展開します。 起動後、何も設定変更をせずに"save-to flashrom"コマンドで設定を保存した場合、工場出荷状態に読み込む初期コンフィグと同等のコンフィグがフラッシュメモリに保存されます。 これは、厳密にはフラッシュメモリ上にコンフィグが保存されていない「工場出荷状態」とは異なる状態といえます。
初期コンフィグはファームウェアリリース時に変更される場合があるため、工場出荷状態の(フラッシュメモリにコンフィグが保存されていない)SEILは、 インストールされたファームウェアにより起動時のコンフィグが異なる場合がありますが、 初期コンフィグを保存(save-to flashrom)した状態のSEILは、フラッシュメモリに保存したコンフィグを読み込みます。 (ファームウェアの更新はフラッシュメモリ上のコンフィグの内容を変更しません)
バージョン間のコンフィグ互換性
SEILシリーズは、同一機種において、より古いバージョンのファームウェアで作成したコンフィグの読み込みをサポートしています。逆に、新しいバージョンのファームウェアで作成したコンフィグを古いバージョンのファームウェアで読み込むことはサポートしていません。古いバージョンのファームウェアで読み込んだ場合、不完全な設定状態となる可能性があります。
新しいファームウェアの仕様変更によりコマンドの書式が変更されている場合、コマンドの後方互換性により、動作上は新しい書式に置き換わる場合があります。置き換わったコンフィグをフラッシュメモリに保存した後に古いバージョンのファームウェアに変更すると、古いバージョンのファームウェアにおいては想定外の設定となるため、読み込み時に該当のコマンドがエラーとなり無視されます。
ファームウェアの更新は、フラッシュメモリ上のコンフィグを変更しません。
ファームウェアのバージョンを更新した後にコンフィグの保存(save-to flashrom)を実行するまでは、内蔵フラッシュメモリ上には以前の状態のコンフィグが記憶されています。この状態のままファームウェアを元のバージョンに変更した場合には、以前のコンフィグに復帰します。
機種間のコンフィグ互換性
SEILシリーズは機種ごとに搭載機能(ハードウェア・ソフトウェア)や設定数上限が異なるため、コンフィグファイル全体としての互換性は保証していません。
実装状況が同じ機能について設定行個別で見た場合には、同一バージョン(同日リリースのファームウェア)におけるコマンドライン書式はほとんどの場合一致するため、 機種移行の際にコンフィグを部分的に流用することは可能です。
機種間でコンフィグを引き継ぐ際は、移行前と移行後の設定反映状況を比較し注意深く確認してください。