コンフィグの書式
本装置のコンフィグの書式について、記述ルールや書式凡例の見方を説明します。
本装置のコンフィグは、「パラメータ」の集りです。一つのパラメータは、次の要素を含み、一行で記述します。
- キー
- 区切り文字(コロン":")
- バリュー
また、一つの機能の動作を設定するための一連のパラメータを「エントリ」と呼び、エントリは後述するインデックス番号やインタフェース名によって識別されます。
次の例は三つのパラメータを設定したコンフィグの記述です。interface.ge0.ipv4.address : 192.168.0.1/24
route.ipv4.0.destination : default
route.ipv4.0.gateway : pppoe0
- 1行目はインタフェースを設定する一つのエントリです。
- 2行目から3行目は静的経路を設定する一つのエントリです。
注:
コンフィグ記述上の注意
- コンフィグ内にキーの重複がある場合は、重複行が全てエラーになります。
- キーの記述に空白を含めるとエラーになります。
- 未定義のキーが記述された行はエラーになります。
- コンフィグ中にコメントは記述できません。
- 全角文字などマルチバイト文字は使用できません。
- キー、及びバリューの前後に記述された空白は無視します。
- 空行(改行のみの行)は無視します。
- キーのみでバリューが記述されていない行は無視します。
- コロンが複数記述されている場合は、最も左側のコロンを区切りとして扱います。
パラメータの書式凡例
機能ごとに設定可能なパラメータの一覧を示すコンフィグパラメータリファレンスでは、コンフィグの書式を次のように記載しています。
キー | バリュー | デフォルト値 | 制約 | 概要 |
---|---|---|---|---|
filter.ipv4.[].label |
<String>(1-32文字) | なし | フィルタを識別するためのラベル文字列 | |
filter.ipv4.[].action |
pass | block |
なし | 省略不可 | 条件に一致したパケットの処理方法 |
filter.ipv4.[].direction |
in | out | inout | redirect |
なし | 省略不可 | 入出力方向の条件 |
キー
区切り文字(":")の左側に記述する「キー」は各機能の設定項目に相当し、システムに定義済みの文字列で記述します。
表記 | 意味 |
---|---|
[](例:filter.ipv4.[].action) | ピリオドに挟まれた空の"[]"はエントリのインデックス番号の記述箇所を示します。インデックス番号は8桁の任意の整数を指定できます。 |
[0-n](例:interface.ipsec[0-63]) | 数値範囲を含む"[0-n]"は主にインタフェース名の表現で使用しています。範囲内の整数を指定できます。 |
インデックス番号の記述
同一の機能で複数のエントリを設定可能な場合には、パラメータが所属するエントリを区別するためのインデックス番号をキー中に記述します。
キーにインデックス番号を含むパラメータの記述例を次に示します。
filter.ipv4.111.label : filter-example1
filter.ipv4.111.direction : in
filter.ipv4.111.action : pass
filter.ipv4.222.label : filter-example2
filter.ipv4.222.direction : out
filter.ipv4.222.action : block
-
"[]" をインデックス番号に置き換えて記述します。
注:
インデックス番号の書式の注意
- インデックス番号は数字で記述します。8桁以内の正の数が使用でき、連番である必要はありません。また、「001」といった記述が可能ですが、処理上は「1」として扱います(文字列ではなく数値として扱います)。
- コンフィグ上の記述順によらず、インデックス番号を数値として昇順ソート(最小値が先頭)した上で動作に反映します。
- 設定可能なエントリの個数はパラメータごとに上限があります。
インタフェース名の記述
インタフェース名はシステムに定義されており、複数個使用可能なインタフェースは"pppoe[0-1]"のようにインタフェースの番号を"[0-n]"の書式で示します。
キー | バリュー | デフォルト値 | 制約 | 概要 |
---|---|---|---|---|
interface.pppoe[0-1].id |
<String>(1-150文字) | なし | 省略不可 | 認証ID |
interface.pppoe[0-1].password |
<String>(1-64文字) | なし | 認証パスワード |
キーにインタフェース名を含むパラメータの記述例を次に示します。
interface.pppoe0.id : id001@example.jp
interface.pppoe0.password : PassPhrase
interface.pppoe1.id : id002@example.jp
interface.pppoe1.password : PassWord
- "[0-n]" を、使用するインタフェースの番号に置き換えて記述します。
注:
インタフェース名の書式の注意
- 使用可能な個数が1個のインタフェースは"wwan0"のように固定文字列で示します。
- バリューとしてインタフェース名を記述する場合の書式も同様です。
バリュー
区切り文字(":")の右側に記述する「バリュー」は設定項目に対する設定値に相当し、パラメータごとに定義された規則に従った文字列で記述します。
表記 | 意味 |
---|---|
keyword |
特に装飾のない文字列表記はシステムに定義された固定のキーワード文字列です。使用する場合はそのまま記述して下さい |
<value> |
"<>" で括られた表記に対しては任意の数値や文字列が記述できます。使用可能な文字や数値の範囲は、説明セクションやリンク先の凡例を参照下さい |
keyword1 | keyword2 | <value> |
"|" で区切られた値は選択肢です。いずれか一つを使用できます |
0-9999 |
数値を"-"で繋いだ値は、数値の下限と上限を示します。併記がない限り、正の整数を10進数で記述できます |
[0-9] |
"[.....]" で括られた表記は使用可能な文字種に制限があることを示します。[0-9]は整数のみ、[-.A-Za-z]はハイフン、ピリオド、および英大文字小文字が使用できることを示します。 |
[-.A-Za-z] |
- 特殊文字の入力
- バリューの文字列に以下の特殊文字を含める場合は、表に示すエスケープシーケンスを入力してください。
- エスケープ文字としての\や"はバリューの文字数にカウントされません。
説明文中の省略表記
コンフィグパラメータについて説明するとき、キーの一部を省略し "..." に置き換えて表記する場合があります。実際のコンフィグでは省略できません。
- 例:
interface.pppoe0...
制約
記述を省略できないキーは「制約」欄に「省略不可」と記載しています。また、設定にあたり特定の条件があるキーは同欄に条件を記載しています。
デフォルト値
コンフィグに記述されていないキーについては「デフォルト値」欄の値を使用します。