ブリッジ(ブリッジグループモード)

任意のインタフェース(LAN, VLAN, L2TPv3)をグループ化してブリッジを構成する、ブリッジグループ機能を提供します。

概要

ブリッジグループモードは、任意のインタフェースをグループ化(複数のグループを定義可)し、それぞれのグループ内のインタフェース間で イーサネットフレームのブリッジを行います。

ブリッジグループに登録可能なインタフェース
LANインタフェース
VLANインタフェース
L2TPv3インタフェース
ラーニングテーブルのエントリ数
8192個
転送可能なイーサネットフレームのサイズ
64 - 1536 octet(FCS含む)

ブリッジグループの構成

  • VLANインタフェース及びL2TPv3インタフェースは、ブリッジグループに登録する前にinterfaceコマンドで構成済みである必要があります。
  • VLANインタフェースと、当該VLANインタフェースの下位レイヤとして設定されているLANインタフェースを同時にブリッジグループに登録することはできません。
  • ブリッジグループが動作するためには、LANインタフェースまたはVLANインタフェースが1つ以上登録されている必要があります。ブリッジグループがL2TPv3インタフェースのみで構成される場合、L2TPv3インタフェースで受信したフレームは破棄されます。

ブリッジの動作

  • 受信したパケットの宛先MACアドレスを検出してラーニングテーブルを参照し、該当するMACアドレスをもつデバイスが異なるポートに接続されている場合に該当するポートへフォワード(転送)します。
  • 受信したパケットの送信元MACアドレスを調べることにより、どのポートに接続されたデバイスであるかを学習してラーニングテーブルを更新します。

転送方式

転送方式は、受信したパケットをいったんバッファにストアして、その後ソフトウェア処理により目的のポートにフォワードする「ストア&フォワード方式」です。このためFCSの一致しないエラーパケットはフォワードされません。

ループ検知

異なるポートに同一の送信元MACアドレスのパケットが到着した場合、ネットワーク構成にループが生じたと判断して該当するパケットを破棄します。その際、ブリッジテーブルは最後に受信したポートに更新されます。但し、VRRPパケット及びHSRPパケットについてはループ検出の対象としません。
注: ループ検知は、ブリッジグループモードでは必要に応じて無効化できます。ブリッジモードでは常に有効です。

ブリッジグループの代表インタフェース

ブリッジグループのインタフェースのうちlan0, lan1..., vlan0, vlan1..., l2tp0, l2tp1...の優先順でブリッジの代表インタフェースが1つ選ばれます。

受信フレームの扱いについて

ブリッジ内のインタフェースで受信したイーサネットフレームを論理的に代表インタフェースで受信したものと見なします。

  • 優先順位の低いインタフェースがDOWN状態の場合でも、SEIL発かつ他のインタフェース経由の通信については行なうことができます。
  • WAN側で受信したVLANフレームを、LAN側に設定したVLANインタフェースで受信できます。
    • LAN, L2TPv3インタフェース間でブリッジを行う場合、 L2TPv3インタフェース側で受信するVLANフレームは論理的にLAN側代表インタフェースで受信したものとして扱われます。 例えば"over lan0"でVLANインタフェースを設定すれば、lan0以外から到着したSEIL宛のVLANフレームも受信できます。 (PPPoEフレーム及びSTPフレームの受信を除きます)
  • LANとL2TPv3インタフェース間でブリッジを行う場合、L2TPv3インタフェース側で受信したPPPoEフレームは、処理されません。

フレームの透過と非透過

  • LANインタフェース及びL2TPv3インタフェースで受信したVLANフレームは、VLANタグが付いた状態で他のポートに転送されます(透過)。
  • VLANインタフェースで受信したVLANフレームは、VLANタグが取り外された状態で他のポートに転送されます(非透過)。

STP

IEEE 802.1D Spanning-Tree-Protocol(STP)をサポートします。

  • BPDUの送受信を行なうためにはブリッジグループに結びつけられた各ポートでSTPを有効にする必要があります。
  • STPはブリッジグループ毎に処理されます。
  • STPはBPDUの送信に代表インタフェースのMACアドレスを使用します。
  • ブリッジグループに登録するインタフェースのPath Costは任意に設定可能です。
回線速度ごとのデフォルトのPath Cost
回線
10Base 100
100Base 19
1000Base 4
L2TPv3 55

VMAN TPIDの付加

ブリッジの対象となるイーサネットフレームのVMAN (Virtual Metropolitan Area Network) TPID (Tag Protocol Identifier)を設定できます。

  • 設定されたVMAN TPIDに一致するイーサネットフレームタイプのフレームはVLANと同様のtagヘッダを持つと見なされます。
  • 抽出されたVLAN ID及びVLAN Priorityは帯域制御/優先制御のクラス分けフィルタに適用できます。