show status route dynamic pim-sparse
IPv4マルチキャスト(PIM-SM)の情報を参照する。
- 実行権限
- admin, user
- 対象機種
- SEIL/B1, SEIL/X1, SEIL/X2, SEIL/x86 Fuji, SEIL BPV4
show status route dynamic pim-sparse
実行例
# show status route dynamic pim-sparse
Virtual Interface Table
Vif Local-Address Subnet Thresh Flags Neighbors
0 192.168.0.1 192.168.0.0/24 1 DISABLED DR NO-NBR
Multicast Routing Table
Source Group RP-addr Flags
--------------------------(*,*,RP)--------------------------
Number of Groups: 0
Number of Cache MIRRORs: 0
---------------------------RP-Set----------------------------
Current BSR address: 0.0.0.0
RP-address Incoming Group prefix Priority Holdtime
10.2.0.2 1 224.0.0.0/4 0 65535
Note
IPv4 マルチキャスト(PIM-SM)機能の情報を表示します。表示内容は大きく以下の4項目に分けられます。
- Virtual Interface テーブル
- (*, G) ツリー
- (S, G) ツリー
- RP-Set
Virtual Interface テーブル
VIF(Virtual Interface)テーブルは、IPv4 マルチキャストルーティングにおいて、その対象となるインタフェースを一覧したものです。
Virtual Interface Table
Vif Interface Local-Address Subnet Thresh Flags Neighbors
0 lan0 192.168.40.1 192.168.40.0/24 1 DR NO-NBR
1 lan1 192.168.3.100 192.168.3.0/24 1 DR PIM 192.168.3.1
2 lan2 10.10.10.204 10.10.10.0/24 1 DISABLED DR NO-NBR
各フィールドは以下のような意味を持ちます。
- Vif
- マルチキャストルーティング機能で用いられるインタフェースの番号
- Interface
- Vifに紐づくインタフェース名
- Local-Address
- このインタフェースのプライマリアドレス
- Subnet
- このインタフェースが所属するサブネットのネットワークドレス
- Thresh
- このインタフェースにマルチキャストパケットをフォワーディングする場合のTTLの閾値
- Flags
- このインタフェースでのPIM-SM の状態
- DISABLED : このインタフェースではPIM-SMは無効
- DOWN : インタフェースはダウンしている
- DR : 所属するサブネットにおいてDR(Designated Router)である
- PIM : 所属するサブネット内に他のPIMルータが存在する
- NO-NBR : 所属するサブネット内に他のPIMルータが存在しない
- このインタフェースでのPIM-SM の状態
- Neighbors
- 所属するサブネット内の他のPIMルータ
(*, G)ツリー
(*, G) ツリーでは、特定のマルチキャストグループにおける共有ツリーの状態を表示します。 このツリーはマルチキャストグループのそれぞれについて表示されます。
Source Group RP-addr Flags
---------------------------(*,G)----------------------------
INADDR_ANY 234.56.78.9 3.3.3.3 WC RP
Joined oifs: ...
Pruned oifs: ...
Leaves oifs: l..
Asserted oifs: ...
Outgoing oifs: o..
Incoming : .I.
Upstream nbr : 192.168.3.1
TIMERS: Entry=0 JP=60 RS=0 Assert=0
VIFS 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 0 0 0
各フィールドは以下の通りです。
- ヘッダ
- この共有ツリーについて、以下のような基本的な情報を提示します。
- Source : マルチキャストの送信元アドレス (共有ツリーのため INADDR_ANY)
- Group : この共有ツリーにおけるマルチキャストグループ (例では 234.56.78.9)
- RP-addr : このマルチキャストグループが紐づくRP のアドレス
- Flags : このツリーの状態、種類
- WC : 共有ツリー (*, G)である
- RP : RPをルートとするツリーである
- この共有ツリーについて、以下のような基本的な情報を提示します。
- ルーティングテーブル
- この共有ツリーについて、Vifテーブルにおけるインタフェース番号順に状態を表示します。
それぞれ下記の要素からなるテーブルにおいて、アルファベット(j, p, l, a, o I)が立っている場合、
それが有効になっていることを示します。
- Joined : Joinメッセージを受け取った (この方向に下位のPIMルータが存在する)
- Pruned : Pruneメッセージを受け取った (この方向に下位のPIM ルータが存在した)
- Leaves : 直下にReceiverが存在する
- Asserted : Assertメッセージを受け取った
- Outgoing : マルチキャストパケットをこのインタフェースへ転送する
- Incoming : このマルチキャストグループに対するパケットはこのインタフェースから入る
- Upstream nbr : マルチキャストパケットが流れてくる、上位のPIMルータのアドレス
- この共有ツリーについて、Vifテーブルにおけるインタフェース番号順に状態を表示します。
それぞれ下記の要素からなるテーブルにおいて、アルファベット(j, p, l, a, o I)が立っている場合、
それが有効になっていることを示します。
- TIMERS
- この共有ツリーについて、エントリの有効期限(タイマー)の情報を提示します。
- Entry : このルーティングテーブルの有効期限
- JP : 次に上位方向にJoin/Pruneメッセージを送信するまでの時間
- RS : 再度Registerメッセージを送信するまでの待機時間
- Assert : 前回受け取ったAssertメッセージの有効期限
- VIFS : インタフェース番号順に、各インタフェースにおけるルーティングテーブルエントリの有効期限
- この共有ツリーについて、エントリの有効期限(タイマー)の情報を提示します。
(S, G)ツリー
(S, G)ツリーでは、特定のソースとその宛先であるマルチキャストグループに紐づく 送信元ツリーの情報を提示します。
Source Group RP-addr Flags
---------------------------(S,G)----------------------------
192.168.10.100 234.56.78.9 3.3.3.3 CACHE SG
Joined oifs: .j..
Pruned oifs: ....
Leaves oifs: ....
Asserted oifs: ....
Outgoing oifs: .o..
Incoming : I...
Upstream nbr : NONE
TIMERS: Entry=210 JP=60 RS=0 Assert=0
VIFS 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 0 210 0 0
各フィールドは以下の通りです。
- ヘッダ部分
- Source : このツリーにおける送信元 (Sender)
- Group : このツリーにおける送信先マルチキャストグループ
- RP-addr : このツリーが紐づくランデヴーポイントのアドレス
- Flags : このツリーの状態
- SG : (S, G)ツリー、送信元ツリーである
- CACHE : カーネル内にこのテーブルのキャッシュが存在する
- ルーティングテーブル本体
-
この送信元ツリーについて、Vifテーブルにおけるインタフェース番号順に
状態を表示します。それぞれ下記の要素からなるテーブルにおいて、
アルファベット(j, p, l, a, o I)が立っている場合、
それが有効になっていることを示します。
- Joinded oifs : このインタフェースでJoinメッセージを受け取った (この方向に下位のPIM ルータが存在する)
- Pruned oifs : Pruneメッセージを受け取った (この方向に下位のPIM ルータが存在した)
- Leaves oifs : 直下にReceiverがいる
- Asserted oifs : Assert メッセージを受け取った
- Outgoing oifs : マルチキャストパケットをこの方向に転送する
- Incoming oifs : マルチキャストパケットはこのインタフェースから入る
- Upstream nbr : 送信元ツリーの上位の隣接 PIM ルータのアドレス (Senderがいる方向)
-
この送信元ツリーについて、Vifテーブルにおけるインタフェース番号順に
状態を表示します。それぞれ下記の要素からなるテーブルにおいて、
アルファベット(j, p, l, a, o I)が立っている場合、
それが有効になっていることを示します。
RP-Set
RP-Setでは現在設定されている静的ランデヴーポイントやBSRから通知されたRPのアドレスと、 マルチキャストグループの組の一覧を提示します
---------------------------RP-Set----------------------------
Current BSR address: 0.0.0.0
RP-address Incoming Group prefix Priority Holdtime
3.3.3.3 1 234.56.78.9/32 0 65535
各フィールドの意味は以下の通りです。
- Current BSR address : 現在利用しているBSR (BootStrap Router)のアドレス
- RP-address : RPのアドレス
- Incoming : RP方向のインタフェースの番号
- Group prefix : 対象となるマルチキャストグループ
- Priority : RPの優先度 (小さい値優先)
- Holdtime : RPのエントリの有効期限