SEIL/x86 FujiのHyper-Vサポート状況
SEIL/x86 FujiをHyper-V上で使用する際の参考情報。
注: この文書で記述されているHyper-Vを含む内容は執筆時点での情報や実動作を元にしており、将来的に変更される可能性があります。
動作するHyper-V
SEIL/x86 Fujiは下記のバージョンのHyper-V上で動作確認を実施しています。
- Windows Server 2012 R2 Hyper-V
- Windows Server 2008 R2 Hyper-V
- Microsoft Hyper-V Server 2008 R2
サポートするHyper-V統合サービス
SEIL/x86 FujiではLinux Integration Services v2.1を元に、以下の機能を移植しサポートしています。
- TimeSync(時刻の同期)
- Synthetic Network Controller(ネットワークアダプタ)
- Heartbeat(ハートビート)
上記以外の、統合サービスに含まれる機能には対応していません。
注: 一部AMD社製のCPUを搭載したシステム上のHyper-Vで動作するとき、SEIL/x86 Fujiのシステムクロックが正しく動作しない問題が確認されています。
Hyper-Vおよびデバイスの認識
SEIL/x86 FujiがHyper-V上で動作していると認識した場合は、Hyper-Vデバイスの設定の有無に関わらず起動時に以下のメッセージが表示されます。
hv0 at mainbus0 hv0: Hyper-V VMBus: irq 5 idtvec 37
管理ツールで統合サービスのコンポーネントやネットワークアダプタを追加し、それが認識可能なHyper-Vデバイスである場合には以下のようなメッセージが表示されます。
(デバイスドライバ名) at hv0 relid (チャネルID) instance (デバイスインスタンスGUID)
このメッセージの直後にデバイス固有の情報が表示されます。 ネッワークアダプタの場合は以下のようにMACアドレスが表示されデバイス名がlanに変更されます。 LANインタフェースの番号は管理ツールでの設定順と同一の並びとなります。
hvnet0: Ethernet address 00:15:5d:XX:XX:XX rename hvnet0 to lan0
なお、未対応のHyper-Vデバイスが認識された場合以下のようなメッセージが表示されます。
class (デバイスクラスGUID) at hv0 relid (チャネルID) not configured
時刻の同期
- SEIL/x86 Fujiは親パーティション側の時刻が正しいことを前提にして動作します。
- SEIL/x86 Fujiの起動時および一時停止からの再開時に親パーティション側の時間と同期します。
- 定常動作中はシステム時刻の進み具合をホスト側に合わせ遅くしたり早くしたりすることで調整します。
- 親パーティション側との時刻のずれが1000秒を超えた場合は上記の調整機能が停止し、dateコマンドや再起動等による再同期が必要になります。
- 仮想環境の特性および上記仕様により、NTP機能が正常に動作しない場合があります。
ネットワークアダプタ(hvnet)
- 物理インタフェースのメディアの状態は一切反映されません。
- 便宜上、常に1000baseT Full-Duplexで動作します。
- 常に全てのユニキャスト・マルチキャストフレームを受信します。(常にプロミスキャスモード)
- 親パーティション側でネックワークアダプタにネットワークを割り当てた場合にリンクアップします。
- 親パーティション側でMACアドレスのスプーフィングを有効にしない場合、VRRPのvirtual-macは動作しません。
- SNMP等で取得出来るインタフェースの順序(ifindex)が他の環境と異なります。
- Jumbo Frame はサポートしていません。
- VLANインタフェースは利用できません。
項目 | 説明 |
---|---|
Ipkts | 自身宛でないフレームも含む受信パケット数 |
Ierrs | 受信エラーパケット数 |
Opkts | 送信パケット数 |
Oerrs | 送信エラーパケット数(負荷等による一時的な送信バッファ不足: デバイスドライバ層) |
Colls | カウントなし |
InOctets | 自身宛でないフレームも含む受信バイト数 |
OutOctets | 送信バイト数 |
InDrops | 受信側ドロップパケット数(負荷等による一時的な受信バッファ溢れ・メモリ不足等: デバイスドライバ層) |
OutDiscards | 送信側ドロップパケット数(負荷等による一時的な送信バッファ不足: ネットワークスタック層) |
ハートビート(hvhb)
親パーティション(Hyper-V管理ツール)から子パーティション(SEIL/x86 Fuji)の死活状態の確認が可能です。
その他のデバイス
レガシーネットワークアダプタとCOMデバイスはサポートしていません(認識し、部分的には動作します)。