仮想HDDの起動ディスクパーティションに設定ファイルを直接書き込む

Linuxホストなど仮想HDDファイルをシステムにマウント可能な設定環境では、SEIL/x86仮想マシンの起動ディスクパーティションに所定のファイルを配置することで、プロダクトキーや起動モードを設定できます。また、コンフィグを含む各設定ファイルを直接編集することができます。

このタスクについて

SEIL/x86 Ayame仮想マシンの起動前に次の初期設定を行う手順を示します。
  1. プロダクトキーのインストール
  2. 起動モードの変更
  3. SMF静的接続設定
  4. SMF Web Proxy設定

始める前に

あらかじめ次の準備が必要です。
  • Linux OSの作業環境を持ち、root権限のオペレーションが可能であること。また、次のモジュールおよびコマンドを使用可能であること。
    • nbdカーネルモジュール
    • qemu-nbdコマンド
  • 作業環境(Linuxホスト)にSEIL/x86 Ayame仮想マシンをダウンロードし、アーカイブを展開済みであること
  • プロダクトキーを入手済みであること
設定作業は全てLinuxホスト上で行います。また、root権限でコマンドを実行します。

手順

  1. カーネルモジュールをロードする
    # modprobe nbd
  2. 仮想HDDファイルをデバイスとして接続する
    KVM用ディスクイメージを使用する場合
    # qemu-nbd -c /dev/nbd0 -f qcow2 seilx86.qcow2
    VMware用ディスクイメージを使用する場合
    # qemu-nbd -c /dev/nbd0 -f vmdk seilx86.vmdk
  3. パーティションテーブルを確認する
    # gdisk -l /dev/nbd0
    GPT fdisk (gdisk) version 1.0.4
     
    Partition table scan:
      MBR: protective
      BSD: not present
      APM: not present
      GPT: present
     
    Found valid GPT with protective MBR; using GPT.
    Disk /dev/nbd0: 262144 sectors, 128.0 MiB
    Sector size (logical/physical): 512/512 bytes
    Disk identifier (GUID): 9BFB0D12-0C59-4539-85E6-1E148B67A3D4
    Partition table holds up to 128 entries
    Main partition table begins at sector 2 and ends at sector 33
    First usable sector is 34, last usable sector is 262110
    Partitions will be aligned on 2048-sector boundaries
    Total free space is 4029 sectors (2.0 MiB)
     
    Number  Start (sector)    End (sector)  Size       Code  Name
       1            2048           69631   33.0 MiB    EF00  EFI system
       2           69632          200703   64.0 MiB    A902  root
       3          200704          208895   4.0 MiB     A902  license
       4          208896          260095   25.0 MiB    8300  user data
    起動ディスクパーティションはパーティション名がuser dataです。これが4番目のパーティションとなっていることが判ります。
  4. 起動ディスクパーティションのデバイス名を確認する
    # fdisk -l /dev/nbd0
    ディスク /dev/nbd0: 128 MiB, 134217728 バイト, 262144 セクタ
    単位: セクタ (1 * 512 = 512 バイト)
    セクタサイズ (論理 / 物理): 512 バイト / 512 バイト
    I/O サイズ (最小 / 推奨): 512 バイト / 512 バイト
    ディスクラベルのタイプ: gpt
    ディスク識別子: 9BFB0D12-0C59-4539-85E6-1E148B67A3D4
     
    デバイス    開始位置 終了位置 セクタ サイズ タイプ
    /dev/nbd0p1     2048    69631  67584    33M EFI システム
    /dev/nbd0p2    69632   200703 131072    64M NetBSD FFS
    /dev/nbd0p3   200704   208895   8192     4M NetBSD FFS
    /dev/nbd0p4   208896   260095  51200    25M Linux ファイルシステム
    4番目のパーティションのデバイス名が/dev/nbd0p4であることが判ります。
  5. 起動ディスクパーティションをファイルシステムにマウントする
    # mount -t vfat /dev/nbd0p4 /mnt
    確認したデバイス名を、任意のパスにマウントしてください。
    これによりSEIL/x86 Ayameの起動ディスクパーティションのファイル操作が可能になります。
  6. 設定ファイルを作成する
    マウントした起動ディスクパーティションに各設定ファイルを作成してください。(/mntにマウントした場合は/mnt/key.txtなど)
    目的 ファイル名 ファイルの内容 備考
    プロダクトキーの設定 key.txt プロダクトキーの文字列 キーがインストールされていない場合は必ず設定します。
    注:
    このファイルのみ、起動してキーを読み込むとシステム領域に保存し、ファイルは削除されます。
    動作モードの設定 mode.txt smfv2 または standalone SMFv2モードで使用する場合は必ずsmfv2を設定します。デフォルトはスタンドアローンモードです。
    コンフィグの設定 seil.cfg スタンドアローンモードで各機能の動作を規定するコンフィグ スタンドアローンモードで動作するとき、コンフィグの保存先や読み込み元として使用されます。
    注:
    • トライアルエディションでは使用されません。
    • SMFv2モードで起動すると削除されます。
    SMF静的接続設定 smf-line.txt SMF静的接続設定 スタンドアローンモードで起動すると無視されます。SMFv2モードの標準動作ではコンフィグを取得できない環境に設置する場合に必要です。
    SMF Web Proxy設定 smf-pxy.txt SMF Web Proxy設定 スタンドアローンモードで起動すると無視されます。SMFv2モードで使用し、かつ、Web Proxyの利用が必須の環境に設置する場合に必要です。
    スタンドアローンモードで使用し、初期設定のみ行う場合は、key.txtのみ作成してください。
    SMFv2モードで使用する場合は、key.txtおよびmode.txtを作成してください。
  7. 起動ディスクパーティションのマウントを解除する
    # umount /mnt
    # qemu-nbd -d /dev/nbd0

タスクの結果

以上で初期設定は完了です。
  • スタンドアローンモードで使用する場合は、仮想マシンを起動し、コマンドシェルを利用してコンフィグレーションを行ってください。
  • SMFv2モードで使用する場合は、各サービスのコントロールパネルを利用してコンフィグレーションを行った後に仮想マシンを起動してください。