モバイルデータ通信端末

モバイルデータ通信端末の制御に関する機能、および対応端末について説明します。

使用可能なモバイルデータ通信サービス

  • 接続サービスや料金プランに対して本装置の仕様としての利用制限はありませんが、サービスの提供形態によってはモバイルルータでの利用に制限があったり、利用できない場合があります。
注:
SMFサービスにおける起動時のコンフィグ自動取得に使用する場合は、SIMカード(回線事業者契約)はIIJモバイルである必要があります。

モバイルデータ通信端末の活線挿抜

動作中の挿し込み
動作中の挿し込みに対応しています。モバイルデータ通信のコンフィグが設定済みの場合には、挿し込まれたモバイルデータ通信端末の認識後にモバイルデータ通信の接続を開始します。
動作中の抜き取り
動作中の抜き取りに対応していません。抜き取った後に正常動作しない可能性があります。動作中にモバイルデータ通信端末を抜き取った場合は、本装置を再起動してください。
注:
通常はモバイルデータ通信端末を接続してから電源を投入し、抜き取らずにご利用ください。

PDP(Packet Domain Protocol)Contextを用いたアクセスポイント指定

接続方式(PDP-TYPE)
本装置はIP、IPv6およびIPv4v6の接続方式に対応します。使用するモバイルデータ通信端末および通信サービスに合わせて設定する必要があります。
アクセスポイント
APN(Access Point Name)またはCID(Context Identifier)で指定します。

端末に登録済みのPDP Contextから一致するものを使用し、一致するものが無い場合には設定されたPDP Contextを端末に登録した上で接続します。

モバイルデータ通信端末のリセット

モバイルデータ通信端末を使用して長期間継続運用する場合、モバイルデータ通信端末に発生する動作異常を考慮する必要があります。

モバイルデータ通信端末の長期間稼動に起因する動作異常の予防、及び、利用不能の状態から復旧するために、自動または手動でモバイルデータ通信端末をリセットする機能を提供します。

接続失敗カウントによる自動リセット
モバイルデータ通信端末の接続エラーをカウントし、接続エラーの状況が継続していることを検出するとモバイルデータ通信端末をリセットします。
死活監視による自動リセット
任意のIPv4アドレスを監視対象に指定し、ICMP Echoによる死活監視を実施します。
  • 監視対象を複数設定可能
  • ダウン判定時間を指定可能
  • 監視パケットの送信間隔は20秒(固定)
  • 監視パケットの応答タイムアウトを指定可能
誤検知を防ぐため監視対象は複数設定することを推奨します。
ダウン判定時間が10分の場合、すべての監視先ホストが20秒間隔の監視に30回連続して応答タイムアウトとなると、モバイルデータ通信端末をリセットします。
ダウン判定によってリセットしても応答タイムアウトが継続する場合、次回のダウン判定時間は内部的に2倍になります(最大60分)。復旧した場合はダウン判定時間が設定値に初期化されます。
時刻指定による自動リセット
曜日、時、分を指定し、定期的にモバイルデータ通信端末をリセットします。本装置のシステム時刻を基準としてリセットするため、NTPによる時刻合わせが必要です。
手動リセット
コマンド実行により任意のタイミングでモバイルデータ通信端末をリセットできます。
注:

モバイルデータ通信端末の状態によっては、正常にリセットできない場合があります。

リセットは連続して実行できません。以下の状況では約 3 分間リセットの実行が失敗します。
  • 起動後最初にモバイルデータ通信端末を認識した
  • reset コマンドによりリセットを実行した
  • 自動リセットカウンタによるリセットが実行された

SA-W2L内蔵モバイルデータ通信端末

SA-W2Lはモバイルデータ通信端末を内蔵しており、モバイルアクセスオプションを契約することでモバイルデータ通信を利用できます。

利用可能なモバイルデータ通信サービス
IIJマルチプロダクトコントローラサービス/モバイルアクセスオプション
設定可能なPDP-Type
IP、IPv6、IPv4v6
認識するデバイス名
ta1
設定できるインタフェース
ppp[0-1]
  • 内蔵モバイルデータ通信端末の不揮発性メモリに記録されたバンド設定とユーザコンフィグに差異があった場合
    • コンフィグ適用後最初の接続試行時に内蔵モバイルデータ通信端末に適用されます。
      • この時バンド設定を動作に反映するため内蔵モバイルデータ通信端末は再起動します。
      • また、内蔵モバイルデータ通信端末に対してバンド設定の適用が失敗した場合においても内蔵モバイルデータ通信端末は再起動します。
  • 内蔵モバイルデータ通信端末がppp接続で使用されている間、電波の受信レベル情報は更新されません。

固有のオプション

LTEバンド18(800MHz)の使用制限
モバイルデータ通信端末がLTEバンド18を使用することで通信が不安定になる場合に、使用しないよう制限できます。

FS040U, FS040U(nano)

対応機種
SA-W2 ver.4.30以降
利用可能なモバイルデータ通信サービス
IIJモバイルサービス/タイプD
IIJモバイルサービス/タイプK
IIJモバイルサービス/タイプI
設定可能なPDP-Type
IP、IPv6、IPv4v6
デバイス名とネットワークインタフェースの対応
接続したUSBポート 認識するデバイス名 使用できるインタフェース
USB0 mdm0 ppp[0-1]
USB1 mdm1 ppp[0-1]
注:
  • デバイスに内蔵されたドライバの読み出しやマスストレージ機能はサポートしません。
警告:
FS040Uは、FS040UのファームウェアをVer.2.2.0以降に更新した上で使用してください。古いファームウェアのFS040Uを使用すると、FS040Uが故障する可能性があります。