タグVLAN(VLANインタフェース)

タグVLAN機能をVLANインタフェースとして提供します。

1. VLANインタフェース仕様概要
項目
タグVLAN IEEE 802.1Q 形式によるタギング
MTU 親インタフェースに追従
2. IPv4/IPv6対応状況
機能 IPv4 IPv6 備考
VLANインタフェース
3. デフォルトの動作状態
機能 状態 備考
タグVLAN 無効

概要

VLANインタフェースを使用すると、VLANタグが付加されたフレームからIPパケットを取り出し、IP転送することができます。
  • VLANインタフェースはIEEE 802.1Q形式のタグ付きフレームを送受信します。
    • 受信時にタグを外し、送信時にタグを付加します。
  • 受信したフレームにIPパケットが含まれる場合は経路表に従いIP転送します。

本装置のVLANの特徴

IEEE 802.1Qに定義されるフレームフォーマットを扱いますが、独自の仕様を含みIEEE 802.1Q対応機器との完全な相互運用は考慮されていません。

フレームの扱い
IEEE802.1Qで定義されるフレーム形式の内、VLANタグフィールドのTPIDの値が0x8100であるフレームのみ扱い、0x8100ではないフレームは破棄します。
VLAN ID(VID)の扱い
VLAN IDの値として1から4094を同等に扱います。1と2を特別扱いしません(デフォルトVLANやネイティブVLANと呼ばれる扱いをしません)。
MTUの扱い
親インタフェースのMTUに追従します。
PCPフィールドの扱い
PCPフィールドの値は無視します。
Q in Q の扱い
多重のタギング(IEEE 802.11adおよびIEEE 802.1Qトンネリング)を扱えません。
VLANインタフェースとGEまたはL2TPv3インタフェースがブリッジグループであるとき、GEまたはL2TPv3インタフェースに入力されたVLANフレームは、VLANインタフェースからは送信されません。

インタフェースのリンクアップとリンクダウン

  • VLANインタフェースのリンク状態は、コンフィグ未設定時は down です。
  • VLANインタフェースの設定が完了すると、親インタフェースのリンク状態に追従します。
  • リンク状態の追従元とするインタフェースは、親インタフェース以外に変更することもできます。
    • リンク状態を参照先のインタフェースとして ge0、ge1、ge1p[0-3] が設定できます。VLANインタフェースと ge1p[0-3] の VLAN IDが異なっていても構いません。
    • リンク状態の参照先として複数のインタフェースが指定された場合は、一つでもリンク状態がupであればVLANインタフェースのリンク状態もupとなります。

IPアドレスの付与

下記のインタフェースにIPv4アドレスおよびIPv6アドレスを付与できます。

  • VLANインタフェース(vlan[]
IPv4アドレス
IPv4アドレスを1個付与できます。また、エイリアス(別名)アドレスを4個まで設定できます。
アドレス設定方法
  • 静的設定
  • DHCP
IPv6アドレス
インタフェース毎にIPv6アドレスを1個付与できます。また、エイリアス(別名)アドレスを7個まで設定できます。
IPv6リンクローカルアドレスは、VLANインタフェースが設定されると自動的に付与されます。
アドレス設定方法
  • 静的設定
  • ルータ広告
  • DHCPv6 Prefix Delegation
  • DHCPv6 IA_NA

Duplicate Address Detection

IPv6アドレスが同一リンク上の他の装置と重複した場合、IPv6通信を停止します。

4. IPv6アドレスの重複が発生した場合の影響と対処方法
重複したアドレスの種類 通信停止の影響範囲 通信停止からの復旧方法
コンフィグで設定したIPv6アドレス 重複したIPv6アドレスの使用を停止する 重複する状態の解消後に次のいずれかの操作を行う
  • 再起動する
  • 重複が発生したインタフェースを一旦リンクダウンさせ、再度リンクアップさせる
  • 該当IPv6アドレスを削除したコンフィグを反映し、その後に本来のIPv6アドレスを設定したコンフィグを反映する
自動生成したIPv6リンクローカルアドレス 該当インタフェースのIPv6通信を全て停止する 重複する状態の解消後に次のいずれかの操作を行う
  • 再起動する
  • 重複が発生したインタフェースを一旦リンクダウンさせ、再度リンクアップさせる

TCP MSS調整

インタフェースの入出力パケットのTCP MSS値を調整することができます。詳細は「TCP MSS調整機能」を参照してください。

ブリッジとの連携

VLANインタフェースはブリッジのメンバインタフェースとすることができます。
  • タグVLANやポートベースVLANのフレームをVLANインタフェースで受信し、無線LANインタフェースへブリッジ転送するといった利用ができます。
注:
  • VLANインタフェースがブリッジメンバーであるとき、当該VLANインタフェースの親であるGEインタフェースは、同一のブリッジのメンバーにできません。
  • GEインタフェースがブリッジメンバーであるとき、当該GEインタフェースを親とするVLANインタフェースを設定できません。