IPv4経路制御

IPv4ネットワークにおける経路制御機能を提供します。

1. 仕様概要
項目
IPv4静的経路の設定上限 4096
IPv4動的経路の保持上限 無制限
2. デフォルトの動作状態
機能 状態 備考
IPパケットの転送(IPフォワーディング) 有効 無効化できません
IPv4静的経路 無効
OSPF 無効
BGP 無効
RIP 無効
送信先がDirected Broadcastであるパケットの転送 無効
リンクダウン状態のインタフェースのIPアドレスへの通信 無効 有効化できません
リンクダウン状態のインタフェースに関連するConnected経路 有効

経路の有効化/無効化

Connected経路
  • インタフェースにIPアドレスが設定されると、接続されたネットワークへのConnected経路が有効化されます。
静的経路
  • コンフィグで設定された静的経路は、ゲートウェイインタフェースがリンクアップ状態になると有効化されます。
  • PPP及びPPPoEインタフェースをゲートウェイとする経路は、IPCPが確立すると有効化されます。
IPv4静的経路自動切替
  • IPv4静的経路自動切替を設定することにより、IPv4静的経路の有効化/無効化を動的に切り替えることができます。

自動取得するDNSアドレスを宛先とする静的経路

DHCPまたはIPCPで自動取得するDNSサーバアドレスを宛先とする静的経路を設定できます。

デフォルト経路をVPN等へ向けながら、動的なDNSアドレス宛ての経路をインターネットへ向けることができます。

径路の再帰参照

Connected径路でないゲートウェイを持つ経路(他の経路を再帰的に参照する経路)は、明示的に再帰参照が有効化されていない限り無効な経路とされます。

再帰参照は設定により静的経路毎に有効化することができ、1回まで他の経路を再帰的に参照します。

  • 以下のような場合は経路 172.16.0.0/24 が有効になります
    Destination        Gateway            Interface Flags  Dist.     Count
    10.0.0.2/24        ge0                ge0       C*        0          0
    192.168.0.0/24     10.0.0.1           ge0       S*        1          0
    172.16.0.0/24      192.168.0.1        ge0       S*        1          0

再帰参照が有能な径路Aが再帰的に参照した径路Bが、さらに他の経路再帰的に参照する経路である場合、経路Aは無効な経路とされます。

再帰参照が有効な径路Aが再帰的に参照した径路Bがdefault経路またはdiscard経路の場合、経路Aは有効な経路とされます。

再帰参照が有効な径路Aが再帰的に参照した径路BがBGP経路(EGP)の場合、経路Aは無効な経路とされます。

経路の優先順位とDistance

本装置の経路制御機能が扱う経路には "distance" 値が設定されます。
  • 静的経路では route キーで各経路にdistanceを設定できます。
  • OSPFでは "intra-area" "inter-area" "external" の種類ごとに distance を設定できます。
異なるルーティングプロトコルで同一の経路が現れた場合は、distance 値がもっとも小さい経路が選択され、それ以外の経路はパケット転送に使用しません。

なお、インタフェースに設定されたプレフィクス(connected 経路)の distance は 0 となり、最優先されます。また、distance 値が 255 の経路は無効な経路として扱います。

送信先とdistanceが同一かつ、ゲートウェイが異なる経路は、イコールコスト・マルチパス経路として扱います。

3. ルーティングプロトコル毎の distance
プロトコル distance 変更可否
Connected 0 不可
Static 1
OSPF 110
iBGP 200 不可
eBGP 20 不可